遺品整理を自分でやる方法と業者の選び方|便利屋が教える手順・費用・注意点まとめ
「親が亡くなって、遺品整理をしなければならない。でも何から手をつければいいのかわからない」
大切な人を失った直後に、こういった現実的な問題に向き合わなければならないのは、本当につらいことだと思います。
なかなか動けない。どこから手を付けていいかわからない。どこに相談すればいいかわからない。そんなお言葉を、現場ではよく耳にします。
遺品整理は、自分でできる部分と、プロに頼んだ方がいい部分があります。
この記事では、何から始めればいいのか、自分でできることとできないことの判断基準、業者に頼む場合の費用と選び方を、できるだけ落ち着いた形でまとめました。
売り込みは一切しません。あなたの状況に合った方法を一緒に考えるための記事です。
遺品整理とは、何から始めればいいのか
遺品整理とは、亡くなった方の所有物を整理・処分する作業です。
家族が亡くなった後、賃貸物件の退去期限や相続手続きの関係で、一定期間内に完了させる必要がある場合が多くあります。
まず最初にやるべきことは、賃貸物件であれば退去期限を確認すること。そして通帳・権利書・保険証書といった相続手続きに必要な書類を、最初に探しておくことです。
そのうえで、家族・親族と整理の進め方を相談してください。
遺品整理の基本的な流れは、次のようになります。
① 重要書類の確認
通帳・権利書・保険証書・遺言書などを最初に探します
② 形見分け
家族・親族が形見として残したいものを分けます
③ 買取・譲渡
価値のあるものは買取業者やフリマへ
④ 不用品の処分
大型家電・家具・日用品を処分します
⑤ 清掃
部屋を清掃して原状回復します
遺品整理は、体力的にも精神的にも消耗する作業です。
一度に全部やろうとせず、重要書類の確認と形見分けを最初に終わらせてください。残りは少しずつ進めることをおすすめします。
期間内に見落としがあり、後戻りができなくなってしまったというケースも耳にします。
焦らず、ゆっくり、慎重に進めることが何より大切です。
自分でできる遺品整理の手順
遺品整理は、場所ごとに順番を決めて進めると効率的です。
実際に片付けが終わったお部屋を見て、お客様がほっとした表情を見せてくださることがよくあります。空間が片付くことは、気持ちの整理にもつながるようです。
進め方としては、まず押し入れ・引き出し・棚など、小さい場所から始めるのがおすすめです。
いきなりリビング全体を片付けようとすると、途中で挫折しやすくなります。小さい場所から始めると達成感が生まれ、作業が続けやすくなります。
次に、品目を「残す(形見・重要書類・使えるもの)」「売る・譲る(状態が良いもの・価値があるもの)」「処分する(使えないもの・傷んでいるもの)」の3つに分けていきます。
迷ったものは「保留ボックス」を作って一時的に保管しておけば大丈夫です。すぐに判断する必要はありません。
タンスの引き出し・押し入れの奥・仏壇の中などには、現金・通帳・印鑑が隠されている場合があります。処分する前に必ず確認してください。
スマートフォンやパソコンの中にも、重要なデータが入っている場合があります。パスワードがわからない場合は、専門業者に相談することをおすすめします。
現場で作業をお手伝いする中で感じるのは、細かいものと大きいもの、どちらを先に片付けるかを最初に決めてしまうと、作業が進みやすいということです。
物の多さにどこから手を付けていいか分からなくなってしまう方をよく見かけますが、動線の確保を最優先に進めていくと、迷いなく手を動かせるようになります。
そして何より、精神的につらくなったら作業を中断してください。
遺品整理に「正しいペース」はありません。自分のペースで進めることが一番大切です。
遺品整理で出た不用品の処分方法
遺品整理で出た不用品は、品目によって処分方法が異なります。
大型家電(冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコン) は家電リサイクル法の対象品目のため、粗大ゴミには出せません。
| 処分方法 | 費用目安 |
|---|---|
| 指定引取場所に自己搬入 | リサイクル料金のみ(1,000〜5,000円) |
| 家電量販店の引取りサービス | リサイクル料金+運搬料金 |
| 不用品回収業者 | 5,000〜15,000円 |
冷蔵庫の処分方法は「便利屋が本音で教える冷蔵庫・洗濯機をゼロ円で処分する方法」で解説しています。
洗濯機の処分方法は「便利屋が失敗から学んだ洗濯機を自力で処分する方法」で解説しています。
テレビの処分方法は「テレビ処分方法を便利屋が徹底解説」で解説しています。
大型家具(タンス・ソファ・ベッド等) は粗大ゴミとして処分するのが最も安く済みます。
| 処分方法 | 費用目安 |
|---|---|
| 市の粗大ゴミ収集 | 200〜800円/点 |
| 不用品回収業者 | 5,000〜20,000円 |
粗大ゴミの出し方は「粗大ゴミの出し方完全解説」で詳しく解説しています。
衣類・日用品は、リサイクルショップ(無料〜買取あり)、フリマアプリ(無料・売れれば収入に)、燃えるゴミ(無料)のいずれかで処分できます。
骨董品・着物・貴金属など価値がわからないものは、専門の買取業者に査定を依頼してください。素人判断で処分して後悔するケースが多いです。
業者に頼むべきケース
遺品整理を自分でやるか業者に頼むか、判断基準を正直にお伝えします。
家族・親族が複数人で作業でき、荷物の量が少なく(1K・1R程度)、時間的にも精神的にも余裕がある場合は、自分での対応が十分可能です。
一方で、次のようなケースでは業者への依頼を検討してください。
2DK以上の物量になると、自力での整理は数週間〜数ヶ月かかることがあります。退去期限がある場合は、業者に依頼した方が確実です。
故人が遠方に住んでいた場合は、何度も往復する交通費と時間を考えると、業者に一括依頼した方が安上がりになることもあります。
また、孤独死や長期間放置された部屋の場合は、専門の特殊清掃業者でなければ対応できないことがあります。
そして何より、精神的につらいと感じたら、それだけで業者に依頼する十分な理由になります。
無理をして体調を崩すくらいなら、業者に依頼することを検討してください。それは決して逃げではありません。体力・時間・精神状態・予算を総合的に考えて、あなたに合った方法を選んでください。
遺品整理業者の選び方と費用相場
業者に依頼する場合、選び方を間違えると高額請求や不法投棄などのトラブルになります。
| 部屋の広さ | 費用目安 |
|---|---|
| 1R・1K | 30,000〜80,000円 |
| 1LDK・2K | 80,000〜150,000円 |
| 2LDK・3K | 150,000〜250,000円 |
| 3LDK以上 | 250,000円〜 |
※荷物の量・作業員の人数・オプション内容によって大きく変わります。
信頼できる業者を選ぶ際は、次の点を確認してください。
「遺品整理士」の資格(一般社団法人遺品整理士認定協会が認定)を持っているか。
見積もりが書面で明確に出るか、複数社から取っているか。
不用品を適切に処分するための「一般廃棄物収集運搬業許可」を持っているか。
遺品の中に価値のあるものがあれば買取してくれるか。買取額を整理費用から差し引いてもらえれば、総費用を抑えられます。
そして、Googleマップやサイトの口コミ・評判を確認することも忘れないでください。
悪質業者の見分け方については「便利屋が教える悪質な業者の見分け方」でも詳しく解説しています。
遺品整理でやりがちな失敗
遺品整理で多いトラブルを3つまとめます。事前に知っておけば防げるものばかりです。
1つ目は、貴重品を処分してしまうことです。
急いで作業を進めた結果、現金・通帳・権利書・保険証書などの重要書類を誤って処分してしまうケースがあります。特にタンスの引き出し・押し入れの奥・仏壇の中は、念入りに確認してください。
2つ目は、価値のあるものを捨ててしまうことです。
骨董品・着物・貴金属・古銭など、一見価値がなさそうに見えても高額で買取されるものがあります。素人判断で処分せず、まず買取業者に査定を依頼してください。査定は無料でできます。
3つ目は、悪質業者に依頼してしまうことです。
「格安で遺品整理します」という業者に依頼して、不法投棄や高額請求のトラブルになるケースがあります。必ず複数社に見積もりを取り、許可証・口コミを確認してから依頼してください。
精神的につらい時期に業者選びを急ぐと、判断が鈍りやすくなります。可能であれば、信頼できる家族や知人に相談しながら業者を選んでください。
まとめ
遺品整理は、精神的にも体力的にも大変な作業です。
小さい場所から少しずつ進めること。貴重品と価値のあるものを見落とさないこと。そして無理だと感じたら、業者に頼ることをためらわないこと。
この3つを心に留めておくだけで、進め方はかなり楽になります。
一人で抱え込まずに、家族や信頼できる業者と一緒に、自分のペースで進めてください。この記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。
